最近、若い方達とビジネスの話のみならず世間話をしていると、何か問題が起きた時に、
目の前の現象のみに目がいきがちになり、「なぜこういった問題が起こっているのか?
なぜ起こってしまったのか?」について問いただしてみると、意外にその現象を原因と考えている事が多くあります。
彼らも「現象」と「原因」を漢字で見れば意味の違いはしっかりとわかるのですが、生活の中ではやや勘違いしてしまうことが多いいようです。
例えば、「会社に遅れて出勤したのは電車が遅れたから」といった感じです。
電車が遅れたのは現象であって原因ではありません。
電車が遅れたからには、そこに原因があったということです。
つまり「信号が故障したから」ということです。
そして、さらにその故障はなぜおきたのか?定期点検がなされていなかったためなのか?
それとも、突然の電気系統の故障によるものなのかといったことです。
このように深く原因を追い求める思考をすることはとても楽しいことですし、世の中が違って見えるようになるのではないかと思います。
実際、私達は自分らの行動や、それにより引き起こされた結果ばかりに目を向けがちです。
本当は「何故それを行ったのか?」「何をしようとしていたのか?」といった行為の意図こそが大切だと思っています。
物事は結果がよければいいというものではありません。
とても大切なことは自分の思ったように物事を動かす(コントロールする)ことです。
たまたま結果的に良い内容になったとしても喜んではいられないということです。
私の会社では、このことをとても重要視しています。
例えば営業の売り上げです。
ある計画をもち営業計画をたて、目標を達成するために宣伝・販促行為を行っていきます。
その結果、計画(意図)以上の結果が出たとしましょう。
しかし、結果が上回ったこと自体はとても嬉しいのですが、それが意図したようにならなかったことは、やはり残念というべきです。
計画以上の結果になったからには何か理由があると思うからです。
その原因は「運」によるものかもしれません。
あるいはお客様が、たまたま多くの買い物をされたためかもしれません。
または、新たに新規のお客様が来て下さったためかもしれません。
その原因がはっきりしないままでは、いくら結果が良くても、何か恐ろしい感じがします。
そのため、当社は計画値の上下5%以上の開きがあったときは、その原因を追求して考えるようにしています。
つまり人の喜びは「自分が思ったように物事をコントロールすること」と考え、予定していたことがプラスやマイナスになろうが、計画値の5%以上の誤差が起きた際は、思ったようにコントロール出来ていなかったと認識すべきだと思うからです。
常に結果だけを見るのではなく、意図、方法、プロセスを検証する行為を行ってこそ、私達は次への成功や幸せをつかむ事ができるという気持ちがあるからです。