学生から「起業するにはどうすればよいか」といった質問を受けるときがあります。
いろいろと書籍が出ているのでそれを読まれるのがよいとは思いますが、きっとそれらを読んだ上で聞いてくるのでしょう。
ですからそこに書かれているようなことを彼らにいいません。
普段思っている事を述べるだけです。
まずは代表というものは外から見るほど派手やかなものでなく、非常に地味であり孤独なものであることを認識することと言っています。
さらにいろいろな能力を必要としますが、まだ会社が小さい規模であれば特に言えることが、自分の決定事項がうまくいかなかった場合にも、常に会社の安定維持を行えるような力をもっていなければならないといった事業バランス感覚であろうと思っています。
そして次に「仕事のスピード」と「情報通信技術力」でしょうかね。
特に情報通信技術力を高めることは人件費を含め無駄な費用を削減できますし、仕事の効率化や働く場所の自由度もアップ出来ます。
これを高めることにより、どこにいても仕事が出来るようにすれば、仕事のグローバル化もはかれます。
さらに、この物価の高い国に会社を持っておく必要性や住んでいる必要性もなくなります。
そうなれば社員もハッピーでしょうし、「自分の生き方を変えることも出来るのだ!」といった事も出来るでしょう。
そして、「経営戦略の思考」だと思います。
人口の減少が進む中で日本だけの市場を見ていただけでは、今後はよくないと考えます。
やはりグローバル化を進めなくてはいけません。
企業のグローバル化についてもまた多くの本が出ているので、いくつか読んでいることと思います。
多くの場合、まずは日本人の苦手な外国語について述べ、語学力と外国人と論理的に話し合える論理的思考技術力を備えることを述べていますね。
確かにこれはとても大切なことで、私も語学力を鍛えることには異議はありません。
しかし、それと共にしっかりと鍛えなくておくべきことは「語感力」です。
これをよく理解し言葉を選択しながら使いきれる実力こそが、特に上の者に立つ者にとっては大切だと感じています。
ですから発音などは底々でよいと思っています。
そんなことより大きな声で聞こえるように、自信を持って話すことの方がもっと大切でしょう。
たとえば、とっても簡単な例に「お願いごと」があります。
初めて英語を習った時、「Pleaseをつけること」と学校で教わり、日本語にこれを訳すと「どうぞ●●してください」といった意味でした。
Pleaseをつけないと「●●しろ」との命令形になると習いました。
確かにこの説明は正しいです。
でも、どちらの言い方も、相手の意見を無視して強制している言い方です。
つまりPleaseをつけても相手に、気持ちよく受け取ってもらえないということです。
このように、単語の意味や話し方、文書の作り方次第で、いくら意味が相手に通じたとしても間違ったニュアンスで伝わってしまっては、うまくいくこともうまくいかなくなってしまいます。
他にも、その国の人の考え方や文化、宗教や社会の変化、事業環境などについて自分の経験値から無理なく理解できるようでなければいけません。
ですから、グローバル化を進めるべきと考えるのであれば、できるだけではなく絶対に海外に住むことが必須と思っています。
こういった面からも、日本に代表がいないと困るといった会社運営では困りますので、社員一人一人が経営者精神をもって、働く環境と意識を社内に作っておくべきであり、前述したように情報通信技術もどんどん押し進めるべきだと常に考えていることが重要だと思うのです。