今回の新人力士の死亡事故の原因が稽古中の暴力行為によるものであったことは世間を驚嘆させましたね。相撲協会において親方の解雇は初めてのこと。
この事件をご覧になられ皆さんは何を感じましたか?
相撲に夢を抱き上京してきた17歳の少年。日頃の行為は不明であるが、「鍛える」という名目で日本の国技を利用してリンチを行うとは、絶対に許しがたい行為です。
この事件を通じて特に感じることは『限度』という認識。
これは人によって違います。特に数字化できない感情などにおいては難しいことです。
「悲しい」「辛い」などは、数字化できないもの。それを体験した者が自分の判断で基準を決めるのでしょうが、その基準はあくまでも自分。だからやっかいです。
自分が耐えられるから他人も耐えられるはずと判断するのが一般的な傾向の中、その基準が間違っていれば取り返しのつかない事件が起きる。自殺とか家出とか・・・。
しかし、今回の事件は暴力行為が原因であることにより、その限度は数字化される内容。どこまでやれば身体に無理があるかは明らかなこと。それの限度を越える行為はまさに凶暴化し理性を忘れた動物行為。こんな人間は決して許してはならないと思っています。
国技を行う者の中にこれほどレベルが低い人間がいることを、外国に伝えたことは日本の恥です。
彼らに問いたい。
「鍛える基準値は何なのか?」
きっと彼らはこのように答えるであろう。
「通常やっている行為です。」
では、通常とは何をもって判断するのか?
数字で答えるならば1年間の平均値であろう。鍛える場合はその10〜20%UPとするのであろう。いつも体力をつけている若手力士が数時間程度の練習で死に至ることは100%あり得ないことは誰でもわかること。本当にかわいそうな事件だ。
たとえ鍛えられるべく厳しい練習をさせられている時でさえも、本当に先輩が自分を強くしようと感じさせるような行為であれば受ける当事者ははっきりとわかる!
そして、それに応えようと思い頑張るものだ。そこには信頼と強い精神が生まれているから。
つまり、成長に関しては、この高いエネルギーの精神がなければ何も意味を持たない。
「水を飲みたくない馬を水飲み場に連れて行っても何らの意味も持たない。」ということ。
親方および兄弟子と言われる者達はこれが全くわかっていないのであろう。