先々週、「詩のボクシング」全国大会を見に行ってきました。
私がこの開催を知ったのは3日前ということもあり、前売り券はすべて完売。当日券を求めるしかなかった。
「詩のボクシング」とは2人の選手(朗読者)が交互に自作の詩を朗読し、どちらの声と言葉が観衆の心に響いたかをジャッジする競技。会場をボクシングリングに見立てたところより、この言葉が生まれた。
参加者の年齢も幅広く10代から80代までと老若男女が楽しんでいる。また観客も同じように幅広い。
そして、今回は全国大会。地方選を勝ち進んできた強者たちが揃った試合だ。
私がこれを観戦しようと思ったのは言葉に興味があったから。
『あ、い、う、え、お』という文字は何にも感動やイメージをわき起こせない。
それが単語になり、そして単語をあわせて文節になり、その文節がまとまって文章になる。文字が大きく集合化するにつれ、そこにはエネルギーが生まれ、人に感動をもたらすまでになる。
朗読の内容次第で、その文章のエネルギーの伝わり方も全く違う。
だから、「声優やナレーターといった仕事をする人達はすごい能力だなあ・・・。その文章を生かすも殺すも彼らの語り次第。だから責任も重いなあ。」と、日頃感じていた。
だから、今回の詩のボクシングというものがあることを知った時は絶対に観戦したいという思いが強かったのだ。
会場に入ってビックリ、満席ではないか。ものすごい人気だ。失礼ながらこんなマイナーなイベントにそんな関心がある人が多くいるとはビックリだ。若者も非常に多い。
試合は16回戦であった。どれも素晴らしいものばかり。
自分の言葉を自分の声で表現。道具は身振りと声のみ。
私は身振りに左右されないように目を閉じて聞いていたが、さすが皆が地方選のチャンピオンだけはある、詩の内容も深い。
一方「これが詩?」というものも多くあったのだが、とにかく素晴らしい試合だった。
詩というよりは、むしろ『語り』といった感じではあったが、それはどうでもいい。そのエネルギーをいかに相手に伝えるかだ。
来年はサントリーホールで行うとのこと。
ぜひ、皆さんも一度観戦して見てはいかがでしょうか。