今週はタイでした。
活気のあるバンコクの大きなモールの中に入るとアパレル、土産物、バッグ、サングラス、時計、置物、スマホのアクセリーなど、あらゆる分野の様々な商品が売られています。
「こんなに多くの店があって、儲かるのだろうか?」と、買う私が心配になってしまいます。
実際、アパレル店でシャツは一日何枚売れるのでしょうか?
5枚それとも10枚。
いや、観光客であれば土産もかねて一人3枚から5枚買うかもしれませんから、1日に20枚ぐらいは売れるのでしょうか?
ちょっと私には見当が付きません。
そして、これらの店屋には、ほとんど値段も材質の差別化もありません。
ですから、商品を見てくれたお客をいかに逃がさずに売りつけるかが勝負なのでしょう。
なかなか厳しい商売ですよね。
お客も自分の思った商品を値引きしてくれなければ買わずに帰ってしまいますからね。
でも、店屋の人が、朝から夜まで頑張って働いていることにすごさを感じます。
それがこの方々の生活ですから仕方がないと言えばそれまでですが、私はその努力を評価しています。
また、モールを歩き思うことはブランド名を付けた、いわゆる「コピー商品」が多い事です。
「コピー商品」と言えば隠れて売られるものだというイメージですが、アパレル、特にTシャツなどに関しては全くこういったことにはお構いなしのようです。
どの店でも店頭に飾られており、堂々と置かれていますからね。
でも、私はTシャツまで高価なブランドを目指す必要はないように思っています。
なぜなら、暑いタイではTシャツは毎日着替える消耗品なのですから、色とサイズが自分に合えばそれでいいわけです。
たとえいくらブランド品が安価に買えるとしても、大きな魅力はありません。
むしろ、消費者にとっては色々なシャツをたくさん持って、楽しむことを選ぶでしょう。
実際ブランドのコピー商品を買い込む人はほとんどいません。
たとえ買ったとしても、ブランド品のコピーというよりは、一般商品という位置づけのような気がします。
このようにブランドのことを考えながらプラプラと歩き回っていると、ブランドの姿が見えてきます。
ブランドは大きく分けて二つです。
一つ目は値段とは関係のない一般大衆のブランド品。
二つ目は価格も高く、希少性により成り立っているブランド品です。
そして、人間は注目されたいという思いが強いので、後者を持ちたがります。
つまり、ブランドの要諦を考えると、高級品というのは人の欲求を満たすものであり、大衆ブランド品とは安心感を与える品と言えるのではないでしょうか。
ブランド品でもその本質は全く違うのです。
そして、高級ブランドから大衆のブランドへと変遷しているのが、まさにT シャツの世界というわけです。
でも、もしかしたらブランドメーカーは違った考えがあるのかもしれません。
ブランドメーカーがTシャツを出すことによってそのコピー商品が出てくることを期待し、安いコピー商品が売れれば自分のロゴマークが市場で広まり、ブランドの宣伝の役に経つと考えているのかもしれません。
これもまたすごい戦略ですがね。