今年の日本を一言で述べるとしたら漢字は何?
これは「偽」でしたね。
実に的を得ていた。秋以降だけでも経済では「船場吉兆」、政治では「年金の加入期間問題」、行政では「守屋前防衛事務次官」等々、「何を信じたらよいの?」ということを感じさせられた一年であった。
つまり、これは倫理観(倫理規定を誠実に守る)がなくなってきたということなのだろう。これは恐ろしいことです。
ビジネス界においても競争を生き抜きぬくためには、その会社の方向を前提として確固たる信条がなければないはずだ。
それは「○○を目指す」とか、「○○は絶対に行わない」とかいったようなことでよい。
トップがそれを掲げ、突き進む、そして社員全員がそれを深く信じ、誠実にこれを実行していくことが会社の力となると私は信じている。
そして、その倫理観が高ければ高いほど、その意義は高くなることであろう。それはどんなことが起きても自分たちは間違っていない!正しいことを行っている!といった自信に満ちた答えが出来るからだ。
だからこそ、会社にやる気が満ちあふれ、仕事のスピードもアップする。こうした環境が出来れば、この倫理観に従わぬものは脱落していくことにもなってくる。
また、これだけ世に色々な商品があちらこちらで宣伝されてくれば、ますます、その倫理観は重要性を増してくる。
消費者も、その企業の姿勢に賛同して商品を求めていくであろうし、一方企業側へはその高い企業理念に引かれて優秀な人材が集まってくるはずだ。友は類を呼ぶがごとく、優秀なものは優秀なものを導き、さらに組織力が高まってくるわけだ。
だからこそ、こういった高い倫理観を掲げる会社には事業方針にぶれがない。
つまり社員全員がいつも正しいことをしているというプライドと確信があるので、顧客とも、いつも良好な関係を持ち続けることが出来る。また、何か新たな事を起こす時も一貫したモラルが徹底しているために間違った方向へ会社が向かうことはない。
このことが顧客に安心感を持たせ、強いては、その会社のCIが確立してくると、私は考える。
「日本人は頭がいい。」と昔はいわれていたが、昨年の高校生の学力テストでは無残な結果。
アジアやスカンジナビアの国々に負けている。あの昔の栄光はどこに行ったのか?ましてや、「ペテン」といえる偽りがすべての分野で頻繁におきている。
頭で負けて倫理観で負けたら日本は終わりだ。
そんな日本になることはないと信じているが、世界に誇れる日本を創るためにも若者たちには人間社会でもっとも崇高な倫理観を忘れないでもらいたいと願っている。