ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

やはり経営は難しい(日産自動車)

2006.05.05

一時は奥様でも知らない人は少ないとまでいわれた日産の元社長カルロスゴーン氏。今は日産の筆頭株主でもあるフランスの自動車会社ルノーの最高経営責任者をも兼務しています。しかし、最近は日産に元気がないとおもいませんか?

先日、私は車を新しくしようと思い日産のディーラーを訪れましたが、車種だけは多くあるものの、その車を作ったコンセプトや特徴が明確でない。営業マンより説明を受けていてもどうもはピーンとこない。こんな状態では、私たちはいったいどの車を買ったらいいのか迷ってしまう。

これは同じ部品を使っているための弊害なのか?

実際、ゴーン社長のノルマ主義の販売には無理があったように思います。インセンティブを多く出すことにより販売を進めてきた日産。トヨタの2倍、ホンダの3倍はインセンティブは結局のところ本体の引き下げに結びつく。これはいい車から安い車へと、いま販売に悩んでいる米国車のような位置づけに落ちつつある。

実際、日産はゴーン社長の打ちたてた世界販売1000万台を昨年9月に達成した。しかし、その後の売れ行きはおもわしくない。つまり、これは需要の先食いだったのだろうか?さらには国内で2車種を投入したにもかかわらず売り上げは伸びない。アメリカで力を入れたスポーツ多目的車(SUV)ガソリンの値上がりもあり、燃費の悪いことから売れ行きが上がる気配はないときている。

さらにはあの経営の苦しい時代に生産技術に力を入れなかったことから、他社と溝を空けられつつあるように思う。日産はとにかく売れ、そして安いコストで車を作れと生産方式、つまりは大量産体制方式できた。

車の少ない時代はこれでもよかったのだろうが、今はテーターメードのような顧客にあったいろいろなタイプの車をだすべき。それも高性能を持ち、そして低価格で提供していかねば今後の成長は難しいのではないだろうか?

ましてや、日産はこの3年で株式配当金を8円から24円へ3倍に増やした。最終的には

5倍の40円までするともいわれている。これで儲かるのはその株を持っている会社。つまりは筆頭株主のルノー。すでに日産に出資した投資額は回収し、いまや日産から出資を受けている状態。

また、ルノーの昨年の純利益は4700億円。そのうち70%ほどの3200億円が日産からの寄与分。つまりは「日産あってのルノー」という構造式になっている。しかし、その日産にも勢いがなくなっている中、ゴーン氏はルノー本体の日産からの寄生体制の改革に今後力を入れて行くであろう。

そうすると外国企業は企業を使いきってから売り飛ばすことが多い中、ルノーも早いうちに日産からの脱却をおこなうとも限らない。やはり大企業であっってもヒット車を出すのは難しいことを考え、今後は多品種少量生産体制の確立を急ぐべきであろう。

がんばれ日産。(私は日産のファンではありませんがどうも日産のことが気になり今回この原稿を書きました。)

このページの先頭へ