安倍政権になってから急激な円安が続いています。
昨年の10月頃には77円程であったのが今や90円です。
17%のUPです。
これはどういうことでしょうか?
日本の経済が、この数カ月の間によくなったわけではありません。
単に、安倍総理が「経済を立て直すぞ!」「今までのような政権と違って、この円高を止めて、貨幣供給を増やし、融資を緩めてお金を市場にどんどん与えるぞ!」さらに「公共事業をどんどん行っていくぞ!」と、やっ気になっている姿が国民を安心させたからだと思います。
しかし、この昔の経済理論が述べていた貨幣供給の増加が、経済の成長をもたらすということは今の時代に当てはまらないことは明らかになっています。
そのため、この政策がどこまで功を得るかは疑問の多い点だと思います。
一方、今から3年8ヶ月前に大躍進を遂げた民主党は政権奪回当時、何をやったか思い出してください。
その時やったことは、「この今の日本の財政状況は危機に瀕している。毎年毎年、巨額の赤字国債の発行。これをどうにかして抑えて行かねばならない。そのためには今の財政を徹底的に見直して、無駄を取りのぞうこう」と、声高だかに述べましたよね。
まさにマニュフェストで述べていた「税金の使い道を変える」「無駄遣いの根絶」です。
この理念に基づき行政刷新会議を設置し、事業仕分けや行政事業レビュー等に順次着手し、この様子はTVでも放映されました。
特に、独立行政法人や政府系公益法人が行う事業の仕分けにおいては、バサバサと事業の廃止を決定し、その他の事務事業の徹底的な見直しも行いました。
この調査の様子は官僚の天下り先でぬくぬくと甘い汁を吸ってきた元官僚に恐怖を感じさせました。
こういった、一般人が考える無駄遣いのチェックをどんどん行うといった姿勢に対し、国民は官僚世界の内部を暴く民主党として親しみを持ち、多くの期待をかけました。
マニフェストに書かれた事をなんとかやらねばならぬといったことで、財源のない中で、子供手当や高校の教育費ゼロを行なったりもしました。
しかし、これでは経済は向上しません。
じわじわと経済が低迷化してからは、どんどん国民の気持ちは民主党から離れ、いい加減にこの不況を早く脱却してもらいたいという希望がどんどん高まりました。
そういった中での今回の自民党の復活です。
自民党は、この日本の財政を悪くしたのは自分達であるわけですが、それに国民が振り向かないように、これからの事はどうなろうともかまわないからといった気持ちで、とにかくこの円高を止めるのだと、強い姿勢で必死に頑張っている姿が国民の気持ちを落ち着かせているのでしょうね。
3月に決算を迎える企業が多くある中で、この流れはその時点まではかわらないでしょう。
輸出企業はこの円安で決算内容はよくなるでしょうから、この状況にマスコミは経済がよくなったと述べ、国民は「自民党に代わって経済は戻った。よかった、よかった。」と認識することになるのでしょう。
でも、これが本当に強い経済への第一歩には、ほど遠いと私は思っています。
いくら貨幣供給してもこのボーダレス社会において、この貨幣が国内で消費されると私は思えないのです。
皆さんはどう考えますか?