高齢化に伴いペットを飼う方が増えてきたようです。
子供たちが成長して家を出たために寂しくなった、あるいは伴侶がいなくなったと言った方が増えたのかもしれません。
私のマンションでも非常に多くの方が犬を飼っています。
でも猫を飼っている人はほとんどいなそうです。
なぜなのでしょうか?
一つには犬好きの方が多いこともあるのでしょうが、もうひとつは大きな理由があるように思います。
それは猫の発情期におきる鳴き声です。
ニャーニャーと大きな叫びが長い時間にわたって、夜の静寂さをまさにつんざきますよね。
このために、猫を飼う人が少ないのではないのでしょうか?
一方、私の通勤路で毎日野良猫に餌をあげている婦人がいます。
いつもきれいな服装をし、猫のために3種類ほどの食事をもってきています。
多分それも、ご自宅で作られているのでしょう。
猫は学校を住みかにしているらしく、夜になると裏門あたりに出没し.木の茂みに隠れています。
婦人はかけ声をかけながら、背をかがめて木の茂みの隙間を一生懸命さがしています。
そして猫を見つけると、持ってきた食事をボールに移し、近くにそっと置いてあげています。
すると猫はゆっくりと出てきて、申し訳なさそうに背を丸めて食事を食べだします。
婦人は自分の子供のようにネコが食べる姿をうれしそうに見ています。
道を行き交う人たちは「この人こんなところで何をしているのだろうか?」と不思議そうに見ながら通り過ぎていくので、やや恥ずかしそうです。
私も初めは「野良猫に餌をあげるのはやめた方がいいのではないのかな・・・」と思っていましたが、最近は「この人偉いなー」と感心しています。
毎日毎日かかさず食事を持ってきて、それを食べ終わるまで待って、雨の日は、猫のために傘を持ってきて、猫がぬれずに食事が出来るようにかざしてあげているのです。
この婦人は一人暮らしなのかもしれません。
住まいではきっとペットを飼ってはいけないのでしょう。
でも、動物がとっても好きなのでしょうね。
婦人にとっては、この日課が幸せを与えてくれるのでしょうね。
私もほのぼのとした場面を見て、幸せを感じています。