安倍首相が、来年春に予定していた消費税の増税を再検証する事にしました。
来年は消費税が上がるから「住宅や車、大型家電は今買っておいた方がいい」と、需要喚起が促されたような気がしましたが、この発言で今後はどうなるのでしょうか?
政府は法律で定めた通り、消費税率を現行の5%から10%に2段階で引き上げ、増税の開始時期や引き上げ幅を変える事を踏まえつつ、幾つかの案を検討するとのことです。
でも、この増税は前民主党政権時に自民党も合意の上で可決されていますから、取りやめになることはないと私は思っています。
現政府は今まで頑張ってきたデフレ脱却を今後も重視し、来年増税したことにより景気の回復に支障がないように、万全の準備で臨む考えのようです。
実際、私としては「増税は絶対に避けられない」と思っています。
なぜなら、GDPの2倍以上といった借金漬けの日本財政なのですから。
世界でこれほどまでに借金を抱えた国もありませんでしたし、少子化が着実にすすむ我が国で増税をのばせば、日本の財政は更にきびしくなります。
財政の悪化がさらに進めば、世界から日本国のリスクが大きく問題視され、国債の暴落さえ起きてくる可能性もありますか、このような事が起きたら大変です
政府は増税を恐る恐る行うようないい方をするのではなく、「増税は行う。しかし景気低下が起きないように○○といった政策を実行する」といったような、三本目の矢となるしっかりした経済戦略を国民に示してもらいたいと思います。
国民はこれを示されないから心配でいるのです。
今の不景気は本来の意味での不景気ではなく、これは財政問題からの不景気と見るべきではないのでしょうか。
ゆえに、麻生財務相及び財務省は、何とか食い止めようとしています。
安倍総理は事情を理解していないのか、一年で1%ずつなどと言っていますが、市場との対話という点で相当ハイリスクだと思います。
消費増税を実施しても、きちんと三本目の成長戦略を描けば問題ないはずです
また、消費増税について、景気にどのような影響が出るのか?という議論があります。
安倍総理も、「景気の数字を見ながら消費増税のタイミングを秋に判断したい」などと述べていますが、根本的に間違っています。
というのは、今の日本の最大の問題は景気の悪さ(不況)ではないからです。
この20年間、日本はずっと不況でしたが、それでも餓死者が続出するわけでもなく、失業率も4%代でスペインのような大きな数字にはなっていません。
つまり、日本という国は景気が悪くなってもつぶれることはないのです。
約1000兆円の借金のうち、大半は自民党が生み出したものです。
だから、今の政府はなるべく手を付けたくないという心理が働いているのでしょう。
飛行機に例えるなら、不況というのは「乱気流になって揺れますのでご注意ください」程度の話ですが、財政問題は「墜落します」と同義語です。
かつて今の日本ほどの借金を抱えた国もなければ、そこから回復した国もありません。
さらには、毎年80万人ずつ就労人口が減っていく日本では、借金を返す人がいなくなる時代が、すぐそこに迫っています。
まず、この重要性を認識して欲しいと思います。