先日、韓国と北朝鮮の国境に行ってきました。
国境と言えば板門店が有名ですが、そこまでは行かずに、今回の場所はソウル市の北から車で1時間半ほど坡州市にある臨津閣観光地というところです。
観光地と名がついていますが、美しいとか見るべき要所がたくさんあると言うわけではなく、北朝鮮と韓国側の非武装地帯という特殊な場所に位置するといった意味での観光地です。
その日は冷たい風が強く吹き、川はカチカチに凍り、どんよりとした厚い雲でおおわれ天気はとても重苦しく、「北の人はさびしい生活を強いられているのだな。」と、感じるような状況で正直「悲しい場所に来たな。」といった気がしました。
ここは1950年に勃発した韓国戦争とその民族対立による悲しみを伝える場所として作られたということで、韓国の統一を世間に訴えている観光地です。
北朝鮮と国境となっている川のがけには有刺鉄線が引かれ亡命者を防いでいます。
そして、この有刺鉄線の100mおきに見張り台が設けられ、軍人が望遠鏡片手に監視をしています。
敷地の中を訪れるとすぐに4階建ての展望台が現れます。
そこには北朝鮮にレンズを向けてある有料の望遠鏡がいくつも設けられており、訪れたほとんど人達がそれを食い入るように覗きこみ、北朝鮮を眺めています。
私ものぞいて見ましたが、川の向こうには多くの簡素な4階建てのコンクリート色をした
アパートがぽつんぽつんとあり畑が見えます。
車は走っていません。
そこで多くの人が実際に生活しているような様子はありません。
また、外に出ている人もほとんどいません。
このことを韓国の方にたずねると、この展望台が韓国側にできると知って、北朝鮮は急いで自国の繁栄ぶりを韓国側に見せつけるためにアパートを建設したそうです。
しかし、資金が尽き外装工事だけで終わったものがたくさんあるそうです。
更に周囲を見渡しても木がほとんどありません。
北朝鮮は韓国側からの侵入者をすぐに発見出来るようにするためだといっていますが、実際のところは燃料として樹木を伐採してしまった様です。(一方、こちら韓国側は木がたくさん茂り、林となっています。)
まさにこのDMZ(非武装地区)は、川が(今は硬く凍っています)分けているのですが、その川がなくても北は茶色、南は緑色ということでわかってしまうほどです。
この寂れた冷たい村の光景を見ると、まさに世界のマスコミが伝える北朝鮮の姿をここでも少しだけではありますが、感じ取ることができます。
この場所はソウルから最も近いDMSですので、ソウルに来られた際にもしも時間があれば、一度訪れてみる価値はあると思います。
ただし、買って帰りたいなと思うようなお土産は期待しない方がいいですがね。
臨津閣観光地の場所: 坡州市 都面点 元里183