ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

今後のJALは

2012.07.06

今週は、JALの格安航空会社ジェットスターが日本に就航と言うことで話題を呼びました。

更に9月には再上場を目指しているということでJALの社員は活気づいていることと思います。

また、すでにANAのエアアジアジャパンが巡航していますから、いよいよ本格的な空の戦いがはじまります。

さて、JALの再建については京セラ会長の稲葉氏の力で見事に財務面は改善されました。

人事面の大きな壁といわれた乗員組合にメスを入れ、一般社員含め徹底的なリストラ、
関係会社の見直し、路線・支店の削減などにより500億円の赤字企業から2000億円の黒字企業へと変えました。(ただしここまで利益が出ているのも会社更生法の適用などで法人税が免除されていることなどもあるのでしょう)
でも、やはり稲盛氏の力量があったからであり、私はすごい方であると深く尊敬します。

このようにマスコミでは明るい話しばかりがでているJALですが、一方では今後どのように育って行こうとしているのか、その成長路線のベクトルが私にはわかりません。

一般にLCC事業は非常に難しい事業です。

まさに価格競争なのですから。

その上、航空事業を行う上でどうしても避けることのできない壁に「安全性」がありますから、価格を抑えたくてもできない点もあるでしょう。(あるいは法律で規定している内容もあるでしょう)

更にJAL,ANAともにLCCと同じ路線に同族会社の飛行機が巡航しているのですから、同族でありながら二重価格があるということになります。

でも、LCC会社、そして今までの会社はそれぞれ自分らのサービスにはポリシーがあるので、LCCが既存会社より売上を奪うものではないと主張していますが、はたしてそうなのでしょうか?

よほどの不便さを感じなければLCCに流れることでしょう。

そして、売上は乗客数×運航数ですから、乗客数が増えないとなれば既存会社は便数か路線を増やすしか方法はありません。

便数を増やすといっても航空運航上の安全や行政上の各社への割り振りがあるでしょうから、自社だけが増えるというわけにもいかないでしょうし、路線を増やすといっても今まで需要や人気がなかった為に路線が開かれてないわけですから、そこに人をどんどん呼びこもうとするのも大変でしょう。

そうなると運賃を安くしなければならないでしょうから、やはり経営は大変かもしれませんね。

航空業界は、考えると経営が難しい業界のように思いますね。

そんななか稲盛氏の経営手腕は、実に見事で素晴らしい成果を残したと思います。

日本航空の総事業収益とコスト構造を比較してみると、2008年から2011年にかけて
事業費は約1兆7000億円から約8500億円へ半減しています。

これに伴い販管費も半減(約3000億円から約1500億円)し、営業損益は約500億円の
赤字から約2000億円の黒字へ転換しています。

リストラを実施し、路線を減らし、徹底的にコストを削減して、これまでの無駄を省き、
「事業そのものを縮小すること」で利益が出る体制を作り上げたのが、今の日本航空の
状態です。

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