マスコミの報道では、韓国経済の伸びは高く、日本を追い越してどんどんグローバル経営化が進み、非常に景気が良いように言っているように感じます。
しかし一方では、大学生の就職状況はなかなか難しく、就職先が見つからない学生も多いようで韓国全体としては景気が悪いということも述べています。
実際はどうなのか?
先日、韓国で社員の面接を行いましたが、その話の中から韓国事情が見えてきました。
やはり、皆が韓国の景気は悪いという認識をもっています。
それでも、韓国の就職サイトを見ると非常に多くの募集広告が見られます。
「なぜ不況なの?」と、感じてしまうほど募集は多いのです。
その理由は、韓国の景気が良いようなことを述べてはいるのですが、実際良いのはITを中心としたほんの少しの大手企業だけで、これらと関連のない中小企業の経営は非常に厳しいようです。
私がそういった経営者と話しても、決して明るい話は出てきません。
そのため、給与をしっかり払ってもらえないことによりやめていく社員や、倒産してしまう会社もたくさんあります。
このような状況ですから、学生は大きな会社に入れば給与も多いし、間違いなく支払われるので、安定した大企業に入りたいと願うわけです。
つまりは安定のない中小企業に入りたくないのです。
ですから「ベンチャー企業でがんばるぞ」といった気持ちよりも、大きな企業で出世して給与を増やしたいといった人が増えているような感じを受けました。
しかし、門戸は狭く多くの不合格者がでてしまうわけです。
決して自分らを雇用してくれる会社がないのではなく、行きたい会社が少ないということで、大学生の就職率が低くなっているといった状態なのです。
偏差値社会の韓国ですが、さらにこれは強まるように感じました。