現在、航空会社は長引く需要減退、低価格志向、他交通機関との競争激化、航空自由化などにより取り巻く環境は一層厳しさを増しています。
実際、8月末に出されるJALの事業の見直し策に際しても稲盛会長より政府に対し「国民のためになるように考えたい」といった発言がなされています。
これは長年、民間経営をやってきた稲盛会長としても現在のJALの状況は想像もしなかった程ひどい状態であるということを意味し、さらに今後、大きなリスクとお金をかけて本当にJALを再建することが正しい選択であるのか、あるいは大きな発展が見込めるのかといった点を最高責任者としての自分に問いただした発言だと私は思っています。
しかし、さすが稲盛会長ですね。
今までの経営陣であれば絶対にそういった発言はしなかったでしょう。
真実を明かさず、保身の塊でしたからね。
今回の稲盛会長の肝のすわった、たくましい考えには実に感動しました。
一方、本日ニュースを見ていましたら全日空も同じように厳しい状態。
前売りなどのキャンペーンをやって需要をはかっていますが、なかなか大きくは伸びないようです。
そういう中、海外の航空会社と提携して格安航空会社(LCC)に参入するといった報道がなされました。
これにより今の航空料金の半分程の金額にするそうです。
でも、「航空料金の半分」とは一体、なんなのでしょう。
実際、一般の方は正規の航空運賃で飛行機を乗っている人なんていないと言っていいでしょう。
実際、皆さんもネットで安い航空券(正規の3〜4割引き)を購入して海外に行っておられますよね。
ですから、この半分、例えば韓国なら往復1万円、ハワイは往復3万円以下であれば皆は驚くでしょうが、本当にそういった金額を提示できるのか?今後楽しみなところです。
でも、まず無理でしょうね。
その前に正規航空運賃などこれを使う人があまりいないのですから何とくらべて半分と言っているかが分からないのですが・・・。
珠海航空などは座席をできる限り小さく、食事は出さない、立ち席までつくって格安の航空券を販売しているとも聞いています。
しかし、「何よりも安全第一」ということを考えると、燃料、航空機、機材維持費、人件費、など色々なコストファクターはある中、削れる要素や限度もあります。そういった意味で航空産業は非常に利益を出しにくい構造になっていると言っていいのではないでしょうか?