ピュア・メディカル社長ブログ『HIROの自分が変われば世界が変わる』

生きることは大変だ。

2008.03.07

『トゥヤーの結婚』という映画を見てきました。

ベルリン国際映画祭≪金熊賞≫グランプリ受賞!!の作品。

中国内モンゴル自治区の西北部。中国で最も降水量が少ないとされる地域。近年、乾燥がますます強まり、草原の砂漠化がすすんでいる地域。

このため中国政府はここで生きる遊牧民を強制的に都市へ移住させる政策をすすめている。

その政策を進めるに際して、この『苦難の地』である遊牧民の生活が永遠に失われてしまう前に彼らの生活を写し、この土地で生きる彼らの喜び・悲しみ・怒りを紹介した映画である。

内容は、ある夫婦と小さな子供2人のモンゴルの遊牧民一家。

この妻がこの映画の主人公トゥヤーである。

夫は、仕事中に大けがを負って自由に動くことができなくなってしまった。
当然、遊牧としての羊牧もできなくなってしまう。

このため今まで夫が行っていた仕事はすべてこのトゥヤーの肩にかかることになる。
さらに夫の世話までしなければならない。

子供の世話、水くみ、羊牧、家事と一日中!休む暇がない。
毎日、土ぼこりにまみれての重労働が続く。

こうした中、妻の苦難を見ている夫は、生きていくために!トゥヤーに離婚するように説得を始める。

トゥヤーは、家族への深い愛からひとつの決断をする。

生きていくために。夫への愛のために再婚を決意するのだ。

そして、彼女には再婚の話が持ち込まれる。

この男性達に対するトゥヤーの要求はただ一つ。

『たとえ今の夫と離婚しても、その夫と一緒に住むこと』

無論、これを喜んで受け入れてくれる男性はいない。

しかし、現実が襲ってくる。頼りにしていた水は干乾び、生活が貧窮する。

そんな時、隣人の男性が結婚を申し込んでくる。

トゥヤーの家族に起きたことを昔から見続けてきた男性。実は、彼は彼女を尊敬し、そしてトゥヤーの家族全員を愛していた。

いよいよ、トゥヤーの結婚式。

夫には色々な思いがこみ上げる。

祝福に満ちた結婚式のはずなのに、夫にとっては、とてもつらい結婚。

幸せなのか?それとも、苦しみなのか?

今までの努力は何のためであったのか?
誰のために行ってきたのか?

現実と理想のギャップ。

そして、初めてトゥヤーの瞳から涙がしたたり落ちるのである。

過酷な世界に生きていくことと、愛の葛藤を描いた映画で、現実から逃避することのできない辛さを痛感させられた映画だった。

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