今から40年ほど前、子供の私にとってはアメリカ人はすべてお金持ちに見えた。
日本にいるアメリカ人はすべてと言っていいほど大きなアメリカ製の自動車を持ち、大きな家に住んでいた。
そして、子供たちはスクールバスやお母さんに車に乗せられてアメリカンスクールに通っていた。
我々といえばトコトコ歩いて学校へ行ったり、一般バスに乗るために道路の脇にあるバス停に友達とら並んでいたものだ。
また、彼らの飲むコカコーラも今となっては普通だが350ml入りの大きな缶入り。日本で我々が飲むのは細長い200ml。350mlなどは売っていなかった。
自宅の冷蔵庫も小学生以上の身長のある大きなもので、当時から冷凍庫がついていた。
そして彼らは毎週買い物も自動車で行って、モノの一杯入った大きな紙袋を6つ、7つも抱えて帰ってくる姿をよく見た。
夕食も大きな牛肉を焼いたり、冷凍食品を料理していた。
当時、私は肉といえば豚肉しか知らなかったのだ。
だから「ステーキ」とは豚肉を焼いたものもステーキと思っていたくらいだ。
ドッグフードも当時からあった。日本人の飼っているペットは食事で余ったものを食べさせていた時代なのに。
でも、勉強は違う。
彼らの家に行き、学校の本を見ると(英語はわからないので算数の本を見ていた、)なんとその簡単な事。
「まだこんなこと習っているの?」と思うほど簡単であった。
多分、日本の学校の方が2年は進んだ勉強をしていたため、「頭は俺たちの方がいいぞ。」と優越感を感じたものだった。
だから子供心に「日本人は頭がいいけど、お金持ちではないのだ。」と思っていた。
そして日本経済の発達とともに育った我々。
日本経済力が世界第2位に躍進する中、アジアの国々の人々、南北問題を生み出したソ連など、底意に住む人はテレビを通じては非常に貧しく見えたものだった。
しかし、最近は間違いなくこれは変わってきている。
BRICという言葉を肌で感じる。
※BRICとは、経済発展が著しいブラジル (Brazil)、ロシア (Russia)、インド (India)、中国 (China) の頭文字を合わせた4ヶ国の総称
アジアの高級リゾート地区に行けば、「こんな高いところにこの国の人がこれるの?」といったところに家族全員でバカンスにきている現地の人。
あるいは黒のドレスをきた中東の婦人たち。そしてなんといっても多くなったのがインド人とロシア人である。
以前はロシア人などはどこにいっても会うことはなかった。
しかし、最近は高級な場所(レストラン・ブティック・ホテルなど)に行けば必ずといっていいほど出会う。
ほとんどがロシアの中でもモスクワなる西部の方々である。
間違いなくロシアは変わってきている。新興金持ちが生まれてきていることをヒシヒシと感じる。
今、若者と話すとBRICが伸びてきているとほぼ言う。
これは一般情報から得た頭だけの知識。
やはり経済は自分の肌で感じるべき。
あえてその国に行かなくてもその勢いを感じさせるところはいくらでもあるのだから。