ここ数年、子供の犯罪の内容が変わってきていることは皆さんもなんとなく感じておられることと思います。
「昔は、こんなひどい事件は子供の世界では起こらなかったのに、今の時代はどうなっているの?」と悲観する前に、『自分の子供』ということについて考える必要があると思います。
私が思うに、日本のお母さんは子供に対して優しすぎるように思います。
まるでペットのようにひたすら可愛がるといってもいいでしょう。
とにかく子供に危険なことをさせない、ちょっとしたことで欲しい品物を買ってあげる、など。
子供をマユに包んで育てているように思われます。
でも、これでいいのでしょうか?
我々は、子供たちに『この世は戦い』であるという厳しさ・辛さを教える必要があります。
そして、その戦いのために『考える』ことが何よりも重要であることを教えるべきであると私は信じています。
つまり、親は子に生きる力を教えていくべきなのです。
しかし、現実はちがいます。
今の教育は記憶重視。考える力を鍛えない。
たしかに、ある程度は覚えることは必要なことでしょう。
しかし、なぜ鎌倉幕府の出来た年代を覚えさせる必要があるのでしょうか?
それよりもなぜ鎌倉幕府ができたのか、その鎌倉幕府は室町幕府とどのように違った政治を行ったのか、そして、それはどのような社会変化を起こしたのかなどといった時代や文化を教えることの方が、もっと重要なことと思います。
これを知ることにより一つの歴史的なデータが流れとして記憶され、このことが将来の自分の考えをまとめる際にきっと役立つように思うからです。
たくましく生きるには『考える』力がないければいけないということを私は言いたいのです。
その考えが間違っていたとしても、なぜそれが間違ってしまったのか?といった原因がすぐ解るような思考方法が必要と思っているからです。
答えにおいて「そう言われたから。そのように書いてあったから。」では今後全く役に立たないことを親は子供に教育していくべきです。
時代は変わったのです。
追いついて行くのではなく、生きる道を自分で切り開いていかねばならない時代となったのです。
知識から知恵の世界に変わったのです。
知識は小さなチップにとって変わったのです。
また、「子供の教育はすべて先生任せ」というのが日本の特徴。
「いい学校に子供を預ければいい教育が与えられる。」というものではないということを親はしっかり認識すべきなのです。
エレベーター式の付属学校が増えていくとともに、戦いを避ける教育の増大。
そして、これに群がる親たち。
しかし、この行動が今後の日本の成長にどれほどのダメージを与えるかは早いうちに明らかになってくることでしょう。
親がしっかりしなければ、明るい国づくりは出来ないのです。
国や人任せでは手遅れなのです。
このことは孔子も論語の中で述べています。
私が亡命して初めて衛の国にいったのは56歳の時であった。弟子の由有に「この国は人口が多いね。」といったら由有が「人口が増えたら何をなさいますか?」とたずねるものだから「経済を豊かにするね。」と答えた。
すると今度は「経済が豊かになったら何をなさいますか?」と聞くものだから、今度は「もちろん教育だよ。」と答えた。