先日、仕事で台湾に出張してきました。
この間、長年の友人である台湾人のAさんと行動をともにした際、色々な話をしました。
特に印象深かったのは『家族の結束』についてでした。
彼は44歳。自宅には家族は妻と子供が2人。それに彼の両親2人の合計6人住まい。
彼はメーカーに勤めるごく一般的なサラリーマンであり、奥さんも働いています。帰宅は19:30頃。奥さんは銀行にお勤めで、帰宅は彼よりも遅く21:00頃。
ですから、お部屋の掃除・食事の支度、そして子供の世話は彼らでは出来ません。
それをすべて行うのは彼の両親、おじいちゃんとおばあちゃんの仕事だそうです。
両親はお金を稼ぎ、家事と子供の面倒は老人の仕事といったように、自分がその時点で家庭に対して出来ることをするといった考えなのでしょう。
また、毎週末、自分の別荘で家族全員との時間を過ごすそうです。
日曜日の午後まで別荘でのんびりして帰宅します。
そして、家に戻るとその後は兄弟(兄が2人)も近くに住んでいるということで、昔から続いている兄弟の家族を全員自宅に呼び、総勢13名で晩餐会をやるそうです。
こうした親族の晩餐会が毎週ですよ!すごいですね。
私はこれを聞き、Aさんの家族の結束と言うのは本当に強いのだなあ〜。これは今や日本ではほとんどないな。子は親を尊敬し、親は子を愛す。そして、親族が皆このように幸せに生きていることを親に感謝し、互いに助け合って生きていくと言った「道徳」と「孝」を、こうした日頃の晩餐会を通じて子供のころから心の芯まで教え込んでいるのだと思いました。
なんだか本当にうらやましく、また素晴らしい人間的な家族愛を感じさせてくれました。
日本では核家族が進み、おじいちゃん・おばあちゃんと一つ屋根の下で生活している人は非常に少なくなりました。
実際、両親と暮らそうにも家にスペースがないといった環境問題や、おじいちゃん・おばあちゃんも年をとって子供の世話になるのは申し訳ないといった気持ちなどで一人暮らしの老人が増えています。
こうした状況の中で、徳・孝をもった人間形成が出来るのか疑問に感じます。
今や日本は学力的にも落ちてきている中、人間形成といった点においても差がつけられていっては今後どうなるのかと心配になります。
街を歩くと、布がボロボロに破れ、腰までおろしたダボダボズボンをはき、シャツのボタンをだらしなくはずして道路の真ん中をワサワサと歩いている若者達。
電車の中では老人が立っているのもおかまいなしに手鏡もってメーキャップに没頭する若い女性。
本当にこれでいいの?
日本の精神はどこに言ってしまったのと問いただしたくなるのは私だけでしょうか?