11月4日に米大統領選挙が行われました。
世界は民主党のバラク・オバマ上院議員か共和党のジョン・マケイン上院議員かに注目。
結果は、オバマ上院議員が大差で勝利した。
キング牧師の暗殺から40年。
ついにアフリカ系アメリカ人が大統領になった。
私はこの結果をTVで観ていた
殆どのTVではオバマ上院議員の勝利が確定した時の勝利宣言と、マケイン上院議員の敗北宣言を放送していた。
オバマ上院議員の演説では「共和党も民主党も関係なく、アメリカという国のためにこう言いたい。私に投票しなかった皆さん、あなたがたの声に私は耳を傾けます。そしてあなたがたの助けが必要です。私は、これからあなたがたの大統領にもなるんですから・・・」。
「チェンジ」と「一体」をうたうオバマ上院議員。
会場からは割れんばかりの拍手。
でも、私は勝者よりもマケイン上院議員の言葉にひかれた。
彼が敗北宣言を述べる。
「今、オバマ氏に電話をかけ『おめでとう』と、言ったところです。」と話し始めると会場からはブーイング。
彼は、すぐさま両手を広げそれを制した。
会場は静まり返った。
そして、静かに話を続けた。
「私は、アメリカという国を愛している。そして、私は選挙に負け、オバマ上院議員が大統領に選ばれた。共和党と民主党という関係があろうとも、両党が協力して合衆国を良い国にしていかなければならない。だから私はオバマ議員に『おめでとう』と言ったのです。」
すると、この短いメッセージの後に会場からは拍手がわきおこる。
なんと素晴らしいこと。なんと素晴らしい支持者たち。
支持者であるから対抗相手に自分のボスが賞賛を述べることは許せないといった気持ちは当然のこと。
たとえ負けたといえども、すぐに自分の気持ちは入れ替えることはできない。
それも、ボスを強く支持すればするほど。
だから、ブーイングが出るのも当然。
でも、今回はマケイン上院議員が手でブーイングを制したら、会場は一斉にシーンと。
「皆、マケイン上院議員の話を聞こうではないか!」といった支持者からの一体感がTVを通じて感じられた。
一方、オバマ候補対クリントン候補の民主党代表候補者選の際。
クリントン候補が敗北宣言した時にはクリントン候補及びその支持者からはそういった清清しい感じを受けなかった。
むしろ「こんな若者に負けた。」といった悔しみが感じられた。
今回のマケイン上院議員の広げた手には、
「皆、聞いてくれ。もっと大事な事があるのだ。君たち応援者の気持ちは十分わかっているよ。でも、今ここでアメリカ人が一つになる必要があるんだ!」
と、まさに1秒でそれを皆に伝えた。
まるでキリストが世界に呼びかけるように。
広げた掌からは何かエネルギーが出ているような強い衝撃を受けた。
さすが、共和党の代表候補、高齢だが大物と感じた一瞬である。
さて、日本にはこういう政治家がいるのだろうか?