最近は、医療事故の問題が多いですね。
特に気になるのが患者の受け入れ拒否問題。
その中でも様態悪化の妊婦あるいは新生児を受け入れる事ができなかったことにより死亡したという事件です。
実に痛々しい事です。
受け入れ拒否問題の原因は、医師の不足。
「患者受け入れ時に別の患者の治療に担当医師が当たっていたために対処できない状態であった。」
こう言われてはどうしようもないです。
搬送する救急隊員も様態悪化の患者を目の前にして、病院と長々交渉することもできないでしょう。
一刻も急ぐような場合には、すぐに別の病院に問い合わせざるをえません。
また、新生児を受け入れる病院に対してはNICU(新生児特定集中治療室)がなければいけませんし、こういった設備を持った病院は限られます。
さらに、この場合は24時間体制で医師を常駐させていないといけませんし、3床のNICUに対して1人の看護士を配備しておかなければいけないといった法律の規制があるそうです。
こうなるといくらNICUがあったとしても体制が整っていない限り、そのNICUは使えないことになります。
法律を犯してまで新生児を受け入れることは、病院も万一のことがあっては困るので絶対にできないというのも理解できます。
また新生児ですから一旦入院してしまうと、なかなか退院できず2ヶ月以上はそのNICUに空きがでないといった現状もあるのでしょう。
「人手がない」「法律的に受け入れができない」といったこれらの原因はどのように解決して行けばいいのでしょうか?
人手に対しては「機械化」と「人材の育成」しかないのでしょう。
特に人材の育成に対しては時間がかかることですから、やはり海外からの受け入れを増やすしかないと私は思っています。
海外からの受け入れの際に、来てくださる方々は自国より日本で働けば高給又は知識・技術を得られるといった魅力を感じるでしょうから、やはり発展途上国の方々が中心になることでしょう。
しかし、実態は・・・
その国を見るとやはり医療関係者の不足が深刻な問題です。
医師のいない地域だって少なくはありません。
そういった国より、日本が困っているからといって、こういった方々を積極的に招きいれてもいいのか?
やはり日本人として悩むところです。
人の命は、全て等しく、亡くなってしまえば二度と戻らないかけがえのないもの。
そこには国力など関係はありません。
日本のわがままは通用しません。
しかし、一方では「日本に行きたい」というその方の意思をその国としては止めることはできません。
意思の尊重、人の命と自分の自由とは何か?
非常に考えさせられる難しい問題です。