使い古された言葉ですが「体の中からきれいにする」。
最近この言葉に実感しています。私の知人で83歳の方がおられます。額にほんの少しシミがあるものの肌がとってもきれいなのです。とても80歳代とは思えないのです。
地肌も白く頬はほんのりとピンクがかり、まるでワックスでも塗っているようなつやつやしている美し肌。30代前半の肌に自信のある女性の方とくらべても遜色はありません。鼻もきりっと高く凛々しい顔をなさっておられ、たぶん老人モデルにしたら日本一になれるだろうと私は思っています。(また、グレーヘアーでスタイルもよく、何よりオシャレです)
私は仕事柄もあり多くの女性とお会いでき、その度にきれいな肌を見る機会は多いのですが、これほどまでに年齢に合わない肌を見たのは生まれて初めてです。それも男性ですからね。
「何か特別なことをなさっているのですか?」と尋ねたところ。
「これといって何もやってないですよ。」とのこと。
「なのに、なぜこんなにきれいなの?」
お話を聞いているうちのわかったことがあります。しっかりと栄養的にもバランスの取れた食事、そして適度の運動(よく歩かれるそうです)、それに何事にも興味をもたれる好奇心、さらに美しいものを見たり人に何かをしてあげることを喜びとしている生活といった精神的な充実感が日々の生活にみなぎっているのです。
「ああ、今日の空気はおいしい。力いっぱい深呼吸しよう・・・」
「本日の一番の喜びは、この“おいしい野菜”を食べれたことですね」
というようにその言葉には感じたそのままを伝える何の飾りもない美しさがあるです。まさに幼稚園のあどけない子供から出てくる言葉と同じです。そしてよく食べられ、よく話され、まさにアクテブエイジ(Active Age)という言葉は、この方のための言葉であろうかと思うくらいです。その時に思ったことは、この方は精神的健康と肉体的健康の両方に満足されているのだろう。
では、その肉体的健康の秘訣は何なのでしょう?
一緒に夕食を取らせていただいた時の食欲旺盛の姿を見ながら「この方はきっと内臓と心臓が人一倍強いのだろう」と思いました。
そういえば、私にはインド人の友人がいますが、彼は私に「健康には呼吸法が大事だ!」と言っていました。日々の健康は内臓を健康に保つこと。そのためには内臓を常にリラックスさせておくことが必要と。
『浅い呼吸ではなく吐いた時は体が前に。また、吸った時は後ろに体が反るほどの深い呼吸をすることで横隔膜を大きく動かし内臓を持ち上げ、また、降ろすことを意識するようにすることなんだ。普段、無意識に行っている呼吸をこのように行うことで、内蔵は外からの力で揺り動かされる。これにより血も内臓に滞ることなく内蔵機能も高まるのだよ。』
呼吸でもって内臓をリラックスッさせるとは人間の体はうまくできているものだな。と、当時は関心しましたが、あらためて目の前の紳士の食事後のゆったりとした深い呼吸をみて感じました。
日々の知らぬ行動の中で健康を保つ方法としては、やはり呼吸法かも知れませんね。武道においても呼吸は精神統一上とても重要な役割を持っていますが、美の世界、健康の世界においてもその役割は図り知れないものなのですね。
「美しさは体の内部から」それが日々の呼吸でできるのですから。
皆さんも寝る前の5分程でいいですから、大きく深呼吸をしてみませんか。