今週は香港でした。
ここ一年ほど、香港は単に経由するだけといったことが多かったので,普段定宿にしているホテルに泊まることがしばらくありませんでした。
しかしその間にホテルの周りはがらりと変わり、ビックリしてしまいました。
私の泊まっているホテルは香港の金融街のCentral(中環)から地下鉄で2つ目の駅を降りると100mほどのところにあり、とても便利な所です。
若い時から一人で香港に来るときは、いつもここに泊まってきました。
交通の便だけでなく、周りには香港の下町の雰囲気が残っているからです。
ガラス張りの摩天楼が立ち並ぶオフィス街からたった2駅離れただけなのに、ここはまさに下町です。
車でも10分ほどの距離で、こういった地域があるのですから最高です。
でも、この場所にも最近は高級住宅がどんどん建設され、お金持ちのサラリーマンが住みだしてきています。
以前からの住民とはちょっと違った人達の増加と共に、店屋もおしゃれな店屋へと変わってきています。
部屋から見える道角の店はワインショップです。
かつては冷たい亀ゼリーや漢方茶が飲める、素朴な中国風お茶屋を老夫婦がやっていました。
仕事から帰ってくると、いつもそこにお茶を飲みに行っていたのですが、今では昔の面影は全くありません。
1年前には、この辺りにはワインショップなどは1軒もなかったのですが、今やホテルから100m範囲の所に5、6軒の店が出来ています。
また、レストランも中華料理、麺屋、中華焼肉屋、中華風のパン屋、八百屋しかなかったのですが、西洋料理やフランスパン屋、コーヒーハウスなどが出来ていました。
本当にあっという間に全く替わってしまいました。
このように、以前あったノスタルジックな店がなくなっていくのは、やはりどの国においてもとても寂しいものです。
その夜読んだ新聞には「マンションの売り出しに長蛇の列」との記事が載っていました。
どうやら、建設場所は商業都市にも近いらしいのですが、そこを購入しようと集まった人の倍率が40倍だったとのこと。
さらに値段を見て驚きました。
30cm×30cm(つまりタイル1枚程の大きさです)の値段が23万円。
とても信じられませんね。
これだとシングルベッド一つ置く場所の面積だけで600万円です。
どうかしていますよね。
それでもこのマンションを、一人で6部屋もその日に購入した人がいたと載っていました。
翌日、香港の人にこの記事の話をしたら、「それは本当だと思うよ。でもね、香港のお金持ちが買っているとは思うけど、購入者のほとんどは中国本土の人だよ!」と。
いまや、中国の方は日本でも高級なマンションが建てられるとすぐに買い求めていますから、この香港であればなおさらですよね。
「ああ、なんだか嫌だな・・・」と思ってしまいます。
「さて、そろそろ寝ようか」と電気を消したら、大きな声を上げながら中国人が観光から帰っていたようです。
廊下で大声で話すのが聞こえてきました。
どうして、あれほどまでに大きな声で話すのでしょうか。
常識のない人たちがどんどん押し寄せるてくる都市、香港。
これからどんどんと秩序が乱れてくるのでしょかね。
あの、ノスタルジックな雰囲気を持った香港、出来れば残してもらいたいな・・・。