医師の仕事と言うのはご存知のとうり保健医療の報酬によりはいってきます。これはやった仕事に対して支払われる対価であるため何もやらないと入ってこないという仕組みです。
ですから、患者さんがなるべく長く通院してくれること、言葉は悪いですがすぐに治ってもらっては報酬が少なくなるという仕組みです。ですから、腕のいい医師にかかりすぐに治ってしまった場合と、未熟な医師にかかり長く通院した場合と比べると、腕のいい医師の方が報酬が少ないという変なことになります。ですから、手術なども一回で済むところを2回に分けたほうが報酬がいいと言った変なことが起きるわけです。
さらには、医師はそのキャリア(技術力)により報酬に差があると言うことはありません。サラリーマン社会であれば新入社員のコンサルタントと20年以上のキャリアーを積んだコンサルタントとではその報酬は能力差により違うわけですが、医者の世界ではこれはありません。
今の保険診療システムの上ではすべての医師はおなじ扱いを受けるわけです。ですから名医と言われる医師の手術と新人医師による手術でもその手術における報酬は同じこととなります。
つまり、名医と言われる医師は働く時間(回数)が多いために報酬が多くなるわけであり、一回当たりの単価が高いというわけではないのです。ですから、医者も「体力勝負の商売」というわけです。
そうなると、医師も診察も短くして多くの患者さんを診ざるを得ないわけです。一方では患者さんが多く待っているから診察時間が短くなるといったこともありますが、この場合は医師を増やすことをやはり考えるべきです。でも、すべての個人病院でこれができるかと言うと無理もありますしね・・・。