今週は山中京都大学教授のノーベル医学賞受賞のニュースが流れました。
先生のIPS細胞の開発は日本の誰もが「いつかはノーベル賞」と思っていただけにうれしいニュースであり、また当然と思える出来事でもありました。
柔道の怪我で受けた整形外科の診察から整形外科の医師となることを目指し、神戸大学医学部卒業後、目指す医師になれたものの、手術がうまくできると思っていた自分の考えとは裏腹に声もかけられない自分に「それなら基礎医学の研究者になり患者さんを助けよう」と決め、研究の道に進んだとインタビューでは答えておられました。
今回は英ケンブリッジ大のジョン・ガードン博士も医学賞を受賞。
山中氏はなんといっても嬉しいのは博士と一緒に受賞できた事と、80歳の母が生きているうちに、この報告ができたことと言われていました。
人の気持ちとはこういうものなのでしょう。
やはりここまで支えてくれた人への感謝の気持ちが先に出てくるのでしょうね。
非常にスマートでスポーツマンの山中教授。
しっかりと何かを見つめるまざなしと、淡々と語る口調にまだまだ先の長い研究への闘志が感じられました。
さて、とかく「頭のいい人は医学部へ行き医者になる」と言うのが世間の考え方のようですが、もっと能力がある方はやはり研究者になっていただきたいと昔から思っていました。
自分にはそういった秀いでた能力はありませんでしたが、小学生の頃から研究者にあこがれ、出来たら将来は科学者になりたいと思っていました。
それは、色々な人の伝記を読みながら、フラスコやアルコールランプをいじくり、顕微鏡をのぞく姿の白黒写真を見て、それがとってもカッコよく見えたからです。
でも、実際は地道な作業の連続。
「失敗ばかり」と山中先生は言いながら「研究はマラソンと同じですよ」と。
「体力と忍耐の勝負」だと。
確かにそうなのでしょうね。
どの世界においても能力は大事ですが、それ以前にこれらがなければ始まらないのですね。
そして、目指す目的に向かって使命感を持てるということは素晴らしいことですね。